坂内の匠
麺の匠

坂内の麺に命を吹き込む
麺の匠の技術と愛情

坂内のラーメンは麺こそが主役。多くのラーメン通から愛され、お子さんから年配の方、誰もが「うまい」と感じられる
独特のちぢれ麺にはおいしさを追求する「匠」の熱い想いがぎっしり詰まっています。
ここでは坂内の「麺の匠」の声に耳を傾け、そのおいしさの秘訣に迫ります。

麺の匠は喜多方老舗の製麺所

坂内チェーン全店の製麺を担当しているのが、坂内の本店「坂内食堂」がある福島県喜多方市の製麺所「曽我製麺」です。喜多方だけでなく千葉にも工場を構えて、坂内のためのオリジナルの麺を作り続けています。「初代の父はもともと製麺業をやっていて、独立したのが昭和41年。それから私が継いだわけですが、会社ができてもう50年以上になります」と、話すのは現社長で2代目の曽我高志さん。彼こそ坂内の「麺の匠」です。喜多方出身で幼い頃からラーメンを食べ続けてきたという彼が作る麺には、たくさんのこだわりが詰まっているよう。

もちもちとした食感その秘訣は美しい水

「坂内の麺は、たくさんの水を含む『多加水麺』。小麦粉に対し通常より多くの水分を入れています。こうすることで食感がなめらかになり、あのもちもち感が生まれるんです」と曽我社長。彼曰く、坂内の故郷、喜多方市が飯豊山系・磐梯山系の水どころであることも味に大きく関係しているということ。水のおいしい場所だからこそ、ツルツル食感の多加水麺が生まれたというわけです。さらには、この多加水に合う小麦粉も吟味。曽我社長は「素材を選んだり考える作業はずっと終わりません。一度できたからそのままでいいってもんじゃないんです。アップデートし続けないといけない」と話します。このたゆまぬ努力がいつ食べてもおいしい、坂内の麺を生み出しています。

「熟成」が生み出す坂内だからこその味

坂内の麺は一朝一夕で作られるものではありません。時間をかけて作られていることも大きな特徴。小麦粉と水を練り上げた生地を、すぐには製麺せずゆっくり熟成してから麺にしていきます。「麺の生地にはたくさんの空気が入っています。熟成することで空気を抜くのが大事。食感の良い麺を作るために不可欠な作業なんです」と曽我社長。ほどよく空気が抜けてムラなく生地に水分が入る……時間をかけるからできる「熟成」によるおいしさが、坂内の麺の味を支えています。熟成期間は季節や湿度、温度により微妙に異なるそう。長年培った技術と経験があるからこそ、程よい熟成が可能なのです。

手仕事だからできる「喜多方」のちぢれ

坂内の麺は平打ち太麺。そして絶妙なちぢれが特徴ですが、このちぢれは機械では出せません。手仕事で作るこのちぢれこそ、坂内の麺の命と曽我社長は話しています。「カットされた平打ち太麺を1食1食、人の手で揉み込むことでちぢれを作っています。手揉みするからこそ、不規則で独特のちぢれができる。これが、喜多方ラーメンの麺ならではの食感を生むわけです」。ちぢれることで、どんなスープにもよく絡む麺になるといいます。そして、食感も喉越しも良い麺はやさしいラーメンにつながっていると曽我社長は続けます。「喜多方では朝ラーといって、朝からラーメンを食べる文化があります。なので製麺では、毎日だって食べたくなるやさしい味を追い求めているんです」。今も変わらぬ手仕事が喜多方ラーメンの真髄と言える麺を作り出し、坂内ファンの心を掴み続けています。

「愛情」あふれる麺作りで生まれる、
坂内の麺

最後に曽我社長はこう話してくれました。「気持ちを入れて麺づくりをする。これが第一条件。温度、湿度、マニュアル、いろいろなことがあるけど、やはり気持ちがないと伝わっていかないですね。これを大切にしています」。曽我社長は月に1回「麺食」の役員を交えて、麺の検食も行っているそう。麺の品質を高めるための努力は怠りません。「心がこもっているんじゃないかな、一杯のなかに」と曽我社長。この「心」は「愛情」という言葉に置き換えられる、と彼は語ってくれました。
見てきたように坂内の麺にはこだわりがたくさん詰まっていますが、この麺に息を吹き込んでいるのが作り手の「愛情」です。坂内の麺をすするその瞬間、そんなことを思い出していただけたらうれしいです。

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