坂内の匠
ラーメンの匠

喜多方ラーメン坂内 ラーメンの匠

「坂内」本店は、ラーメンの聖地喜多方の行列店
昭和から引き継がれる、昔ながらのラーメン

全国各地、さらには海外にまで展開する「坂内」の本店は、福島県喜多方市にあります。
喜多方には今も100店舗以上のラーメン店があり、喜多方ラーメンは日本を代表するご当地ラーメンとして知られています。「坂内食堂」はそのなかでも「御三家」に数えられる老舗繁盛店です。
ここでは「ラーメンの匠」といえる本店の現店主に話をうかがいます。

3代目が暖簾を守る昭和33年創業の老舗

昭和33年(1958年)創業のこの店を、今切り盛りしているのが店主の坂内章一さん。彼は初代新吾さんの長男で、お母さんのヒサさんを2代目と数えると3代目店主ということになります。「父の新吾は喜多方にある上海という店で修行し、その後、坂内食堂を作りました。市役所ができるということで今の場所に店を作ったようです」と章一さん。創業当時はご飯ものも出していたそうですが、支那そばが人気を博し支那そば(喜多方ラーメン)、肉そば(焼豚ラーメン)が有名に。今もこの2品が店の看板メニューです。

喜多方ラーメン坂内 ラーメンの匠

変化の中で目指す、「昔ながら」

変わらないのはメニューだけではありません。「うちは昔から焼豚たっぷり。肉そばでは麺が見えないほど焼豚がのっています。これは私が生まれる前からで、父が考えたスタイルなんです」と、章一さんは肉そばの魅力を語ってくれます。名物である焼豚目当てに遠方から足を延ばすお客様も多いそうです。
一方で変わっていることもあると章一さん。「よりおいしいものを、と考えていくとどうしても変わっていくものはあります。材料、作り方、管理の仕方……時代が移りゆくなか少しずつ変えていかないと。それでもやはり、昔ながらの味を目指していますね」。今の時代に合わせ絶妙に変化しながらも、創業当初から愛されてきた味はずっと続いていくのです。

喜多方ラーメン坂内 ラーメンの匠

今も引き継がれる朝ラー文化

味だけでなく坂内食堂は、文化を引き継いでいる店でもあります。喜多方には「朝ラー」という独自の食文化があります。これは早朝野球の帰りや、出勤前にラーメンを食べるというもので、早朝から店を開けているラーメン店も多いです。坂内食堂もまた、朝ラーを味わえる店の一つ。「うちは昔は夜中までやっていて、夜勤の人も食べに来ていたんです。それでも、どんなに遅くまで働いても親は朝に、子どものためのお弁当を作らなきゃならない。それで7時前くらいから作業していると、店が開いていると思って勘違いして来るお客様もいたようです。そういうこともあり、坂内食堂は朝から提供のスタイルができたのでは」、と章一さん。ほかの街にはないラーメンの聖地ならではの朝ラー文化は、これからも次の世代へと引き継がれていきます。

喜多方ラーメン坂内 ラーメンの匠

ラーメンブーム到来、行列のできる店に

喜多方ラーメンにとっても、坂内食堂にとっても転機となったのが、昭和60年代の喜多方ラーメンブームです。それまで「蔵の街」として知られていた喜多方のラーメン文化がメディアで取り上げられ、全国的にラーメンの街として認知されたのです。「喜多方ラーメンブームの頃は大変でしたね。おかげさまで、それ以後も行列ができる店に。店が終わったあとも次の日の仕込みで、夜中までずっと働いていました」。と章一さん。今も行列ができることで有名な坂内食堂。店には大行列を撮影した写真が大切に保管されていました。これが今日もおいしいラーメンを出そうという、原動力になっています。

喜多方ラーメン坂内 ラーメンの匠

本店の想いそのままに坂内に引き継がれたラーメン

最後に章一さんはこのように話してくれました。「いろんな人に喜多方ラーメンの味を知ってもらいたい、日本だけでなく海外の人にも。とにかく多くの人に食べてもらって、おいしいと思われるものを作りたいですね」。子どもからお年寄りにまで幅広く愛される、坂内食堂の味は「坂内」のラーメンに引き継がれ全国、そして世界へと広がっています。「親父はおいしいラーメンを作って出すのが当たり前だと言っていました。お客様に、おいしいといわれるのが一番うれしいのだから、とも。それは胸に刻んでいますね」。初代店主新吾さんの「おいしい」を追求する想いは、今も「坂内食堂」、そして「坂内」のすべての丼に息づいています。

喜多方ラーメン坂内 ラーメンの匠

坂内食堂

住所:福島県喜多方市細田7230
定休日:木曜(ほかに不定休あり)
営業時間:7時〜18時

喜多方ラーメン坂内 ラーメンの匠
Shopへ
TOPへ